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第38話 弱っているのに倒れない背中を、支えたいと思ってしまった

last update 最終更新日: 2025-12-27 18:51:28

 社長室の扉を閉めると、静寂が落ちた。

 重く、冷たく、まるで廃墟の空気のように。

 わずか十秒もしないうちに——

 ノックもなく、扉が開いた。

「兄さん」

 悠斗だった。

 顔色は悪い。

 けれど、怒りの表情ではない。

「……支援、全部止まるって。

 神園家から連絡を受けた」

 晴紀は、机に片手をついて立ったまま、力なく言った。

「俺が……言わせたようなものだ。

 会議で、あんなふうに……はっきり言ったから」

 椅子には座れなかった。

 座ったら、崩れそうで。

 晴紀は机に片手をつき、息を整えられないまま言った。

 悠斗はしばらく何も言わなかった。

 兄の言葉を否定も肯定もせず、眉間に皺を寄せて見つめる。

「……そうかもしれない」

 ようやく絞り出すように言った。

「もっと上手いやり方は、あったかもしれない。

 傷を浅くする選択肢も、探そうと思えば探せたかもしれない」

 晴紀は拳をきつく握る。

「……でもな、兄さん」

 悠斗は机にそっと手を添えた。

 支えるというより、落ちていく人を止めるように。

「どっちみち、いつかは決断しなきゃいけなかったんだ。

 今日じゃなくても、明日じゃなくても……遅かれ早かれ、同じところに辿り着いた」

 その言葉に、晴紀の呼吸が一瞬止まる。

「支援がなくなるのは痛いけど——

 支援に頼ったままじゃ、この会社は何も変わらない。

 兄さんが今日やったことは、引き延ばされてた終わりにケリをつけただけだよ」

「……悠斗」

「兄さんが悪いわけじゃない。

 ただ、今日がその日になっただけだ」

 静かな肯定。

 慰めじゃなく、現実を真正面から受け止めたうえでの支え。

 晴紀の喉が、かすかに震えた。

「……じゃあ俺は……どうすれば……」

 晴紀の声は、机の木目に沈み込むように弱かった。

 悠斗は静かに兄の正面に立ち、短く息を吸った。

「兄さん。まず、ここから話す」

 タブレットを開き、数字の欄を指で示す。

「清晴堂の手元資金——

 三か月はもつ。

 これは断言できる」

 その言葉に、晴紀はかすかに肩の力を抜いた。

 けれど、すぐに続けた言葉がその安堵を縫いとめる。

「でも逆に言えば、三か月しかない」

「……三か月で、何を?」

「三か月のあいだに、外部資
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